前衛で、サイドのネット前で打球を止めた直後、同じ所に打たれた球がとれない!なぜ?

 

こんにちは。
バドミントンプロコーチの樋口です。

前衛でサイドの球を打ちに行った後、同じところに打たれた球をノータッチやミスをしてしまった経験がありませんか?

今回はその原因と対策について、フォーメーションとカバーリングの観点から考えてみます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

 

(ステージ1)
【原因】前衛がサイドネット前で打球後、センターに大きめに戻ってしまっているため

クロスカット  ヘアピン  ヘアピン2

前衛がセンターに戻ると、相手レシーバーから最短距離のバック側ネット前を空けてしまいます。

相手レシーバーから最短距離の場所は、最も早く床にシャトルが着いてしまう=最短時間で失点=最も失点リスクの高い、危険な場所ということで、そこを空けてしまうことは、戦術的に致命的な行動になります。

加えて、センター近くからですと、サイドネット前は、斜め前になる分、移動距離や移動時間も増えてしまいます。

 

(ステージ2)
【対策】打ったサイドネット前近くに留まり、相手レシーバーから最短距離の場所を最優先で守る

ヘアピン(戻らない)

ダブルスの基礎戦術として、打った後、センターポジションに戻る必要がないという知識があります。

シングルスと違って、ダブルスは2人いますので、前衛がサイドなどに振られたり、ピンチになっても、パートナー(後衛)がコート4隅の残り3カ所を守ればいいからです(後衛の3点カバー)。

バドミントンの基礎戦術の一つに、相手レシーバーから最短距離の自陣コートを最優先の優先順位で守るというものがあります。

今回のケースですと、バック側のネット前ということになります。

最優先に守るというのは、その危険な場所に物理的に近づいているということになります。

つまり、3球目、5球目後は、バック側ネット前近くで、相手がストレートネット前に打ってくる球を待ち受けて、打たせないようにするというポジショニングになります(センターポジションに戻らない)。

最短距離(相手は返球しやすく、得点可能性が高い場所)を前衛に塞がれた相手レシーバーは、クロスのネット前(自陣フォア側ネット前)にクロスネットやストレート奥(自陣バック奥)に逃げてきます。

これらは下記の通り、3点カバーをする自陣後衛の役割ですので、前衛は安心してバック側ネット前を塞ぐことができます。

 

(ステージ3)
【前衛がネット前に打ちに行ったら、後衛の立ち位置はコートど真ん中】

3点カバー

因みに、後衛は前衛がネット前に打ちに行った段階で、自陣コートのど真ん中に入ります。

これにより、前衛がいるバック側ネット前以外の3隅が均等な距離になる分、カバー(3点カバー)に行きやすくなります。

3点は相手レシーバーからの距離が近い順に、優先順位をつけます。
(レシーバーから:クロスネット前、ストレート奥、クロス奥の優先順位)

参考:前衛と後衛3点カバーの構築ノックと講習
https://youtu.be/i7zlDbCRDpo

お試しください。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「シングルスで上手く動き出せなかったり、のけ反ってしまったりして上手く動けない!どうして?」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点ご理解の上でお読み、お試しくださればありがたいです。

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バド技術コラム「バド♪Remaking」の内容を実際に講習会でおこなっています。
ご興味のあるかたは、下記のリンクをご参照ください!

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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