戦術の大切さ:初心者から戦術を駆使できる選手を育成する(指導システム構築編)

こんにちは。樋口です。

戦術の構築について、前回に引き続き、横浜市泉が丘中学さんの取り組みから学んで行きたいと考えます。

今回は、部活におけるシステムの構築の視点から考えてまいります。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

体育館2

 

(ステージ1)
【生徒間で技術指導ができる体制作りをおこなう】

学校の部活動は、人数が多かったりする場合、一人一人を指導者が見てあげることはほぼ不可能です。そうなると当然ながら、上級生が下級生、またはできる者が出来ない者を教えたりすることが起こります。

生徒同士で教えあうことは、教える方が自ら自分の持つ技術や教え方を考えなければならない分、よい学習の機会になります。

 

(ステージ2)
【体制作りへのサポート】

しかしながら、生徒さんの自主性だけに任せていると、まだ論理的思考が未発達な分、なかなかうまくいかないものです。
要は、大人の論理的思考でのサポートが必要になってくるということです。
そこで泉が丘中学顧問の高橋氏の取り組みは大きく3つ以下の通りになると考えます。

《自主的に技術向上を図るシステム作りへの取組み》

①コートに入っていない生徒たちに、コートで練習中の生徒たちを見るようにさせて、指導内容と乖離している場合は、指摘や修正アドバイスをさせる

②指導者の目でも見ていて、アドバイスをできずにいるまたは、見逃している生徒がいた場合、アドバイスをするように促す

③指導者が生徒にアドバイスをする場合、回答を導きやすいヒントを出して、生徒に考えさせて答えが出るように工夫する

 

(ステージ3)
【各取り組み詳細】

《上記①》

生徒同士で相互に技術を教えあうという内容です。
人数が多い部活動の中では、これは極めて効率的な手法です。

泉が丘中学さんのケースでは、コート外で自分の順番を待っている生徒さんが、コート内で練習している選手たちを、ジッと見つめている光景が多く見受けられました。
見ることによって、指導内容と異なった動作をした場合に、修正アドバイスをするために見ているのです。

ですので、動作などが違っていた場合などは、パターン練習などの途中でも止めて、話し合いが行われます。

これは、2つの点で効果があると感じています。

❶生徒さんの技術や戦術を見る力が向上する

❷練習に入っていない者でもチーム全体にとって重要な役割があることが学べる

上記より、個々の戦術眼が鍛えられるのと同時に、チーム全体のレベルアップが図れると考えます。

実際、ほとんどの子が自分の練習か、他メンバーへのアドバイスのための注視などで集中されています。
アドバイス時には、アドバイスする方とされる方とでちょっとした話し合いが起こることもあり、これが新しい気づきや発見につながると考えております。

体育館2

 

《上記②③》

生徒同士の相互教授は非常に効率的なシステムですが、実際に取り組んでみると、非常に難しいということがわかります。
中学生はメンタル的に未熟ですので、なかなか自分たちの力だけで相互教授をおこなうということは難しい現状があります。

そこで、指導者が練習を見回しながら、適宜アドバイスをしていきます。

そのアドバイスも直接に答えを与えるというよりも、ヒントを与えて答えを導き出させる、プレーヤー本人だけでなく、アドバイスをする生徒の方にヒントを出して、アドバイスさせるなどで、生徒さんたちが相互教授するスキルを向上させるようなサポートをされています。

具体例を挙げると、

指導者「A、●●が今の上げちゃってよかったかな?」

生徒A「え〜っと」

指導者「相手を下で取らせたら、次の球はどうすればよかったっけ?」

生徒A「あっ、タッチを早くして、サイドに振ります!」

指導者「じゃ、●●に言ってあげて」

生徒A「はい!」

このような積み重ねによって、生徒さんたちはお互いに教えあうスキルを向上させていきます。
当初、このような効率的なシステムを構築する際は、相当の負担が指導者にはあったと感じます。

それだけに、すでに相互教授のシステムが稼働している泉が丘中学さんは、新たに新入生が入ってきても、自動的にシステムに沿って成長していけると考えます。

前回ご紹介した戦術指導の実現のベースには、指導者・高橋氏のこのようなしっかりした組織システム創りがあります。

ここに紹介致しました内容は、高橋氏の取り組みのごく一部ではありますが、このように秀逸なモデルが全国に拡がったら、一層のバドミントン活動の進化が望めるなあという想いです。

ご参考にどうぞです。

 

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「クロスネットの打ち方(基礎編) 」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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