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「癖動作矯正指導法」の実技公開(オーバーヘッド(上打ち)矯正編)
- 2017/3/6
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。樋口です。
以前、「癖動作矯正指導法」についての概要を紹介させて戴きました。
(→2017/1/16コラム「癖動作矯正指導法〜その効果と手法」)
今回はその実技編としまして、オーバーヘッドストローク(上打ち)の矯正を紹介させて戴きます。
最後までお付き合いのほど、宜しくお願い致します。
(ステージ1)
【グリップの握り方再構成】
以下のコラムをご参照ください。
(→2016/5/30コラム「いまだから改めて考える「フォアハンドグリップ」の握り方」)
(ステージ2)
【前腕回内動作と上半身動作の再構成】
オーバーヘッドで癖動作が身につく大きな要因の1つに、身体の前に来たシャトルを打とうと、右肘と右手を大きく前に出して打ってしまうことがあります。
それらを前に出せば出すほど、ラケット面は左側に向いてしまう分、打球は左に切れてしまいます。よって、インパクト直前にグリップの握りをウエスタン(フライパン握り)に変えてしまったり、手首を極端に反らしたり(背屈)といった癖動作(代償動作)で、ラケット面を正面に向けようとしたりします。この動作が癖動作として固定されてしまいます。
ですので、矯正手段として「オーバーヘッドは横で打つ」という文言を使います。右手首や右肘は右眼の横辺りで肘を伸ばした状態で止め、打点は実際はもっと前ですので、前腕(手首〜肘)回内動作(左捻り)にてラケット面先端を前方向に落として(移動して)いき、前の打点でインパクトします。
肘や手首が顔の横に来ている限り、イースタングリップ(包丁握り)の握りでは、ラケット面は正面を向きます。
またラケット面先端を意識させることで、打点が前の位置になればなるほど、先端を前に落としていけば、クリア→ドロップ/カット→スマッシュというように、自然に打ち分けができます。
これによりスイング途中まで同様のフォームで、インパクト直前にラケット面の先端をどこまで落とすかで球種の打ち分けが可能ということが理解できます。オーバーヘッド(上打ち)のスイング構造が身をもってわかるということに繋がります。
上半身全体のフォームや連動動作の構築は、回内動作動作から少しずつ右肘を後ろに引いていき、左腕も上げていくというような段階式で、徐々に身体に馴染ませていく方法をとります。
(ステージ3)
【スイング全体の再構成】
<横映像編>
<正面映像編>
<完成フォーム>
オーバーヘッド(上打ち)のスイングは、7つ程の動作がレシピのように連結して構成されています。
それら動作の順番が違ったり、同時に複数の動作をおこなってしまったり、動作を抜かしてやってしまうだけで、フォームに狂いが生じて、上手く打てません。
それらの「レシピ」を守りながら、段々手早くできるようになる〜それが上達ということになります。
クッキングで慣れると段々手早くなってくるのとよく似ているといえます。
【補足】
(1)これらの技術練習は強く癖がついてしまった動作(ウエスタングリップなど)を矯正することを最優先にしておりますので、一般の技術練習とは性質が異なります。
ラケット面の細かい動作や左脚を引く動作(いわゆる入れ替え)など詳細な技術は、矯正終了後に各個導入していくと効率的です。
(参考1:オーバーヘッドでのラケット面の動き)
(参考2:バドミントンの運動連鎖)
(2)矯正フォームが崩れる(元に戻る)主因の1つに、テイクバック時の最初のフォームの乱れがあります。
フットワークから打球体勢に入った際、上記マニュアルのテイクバックフォームを毎球ごとにセルフチェックしてください。
このスタートのフォームができていれば、フォーム全体が崩れない場合が多く、できていなければ、後続の動作フォームが崩れるというケースが多いです。
(3)矯正効果継続練習について(フォームが固まるまでの間)
①ご自宅などで鏡を見ながら、短時間でもよいので、フォームをセルフチェックする。
②打ち合いの中の数秒間でも一球一球、最初のテイクバックフォームをセルフチェックするルーティンをつけると、矯正効果が持続しやすくなります。
復習の際は、このフォームを繰り返しおこないます。1動作毎にセルフチェック(自分で目視する)をおこなうことが肝要です。
例えクリアの打ち合いやノックで、打球間が1秒しかなくとも、セルフチェックする意識を毎球持つことで、100球打ったら100回フォームチェックが入ることになる分、フォーム固定が効率的になります。
お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
(参考: 「バドミントン癖動作矯正指導プロジェクト」)
次回は、「バックハンドロングドライブのスピードが出ない!?原因は? 」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。