プッシュやドライブ時のグリップの作り方

こんにちは。樋口です。

プッシュやドライブ時のグリップは非常に微妙で繊細です。
そして、とても重要です!

ラケットの軽量化、弾きの向上など、その進化に伴い一昔前とは技術が若干異なってきています。

今回はプッシュとドライブ時のグリップの握り方について考えてみます。
最後までお付き合いにほど、宜しくお願い致します。

 

【構築編】
(1)ドライブやプッシュは、ハーフウエスタングリップが便利


ハーフウェスタン2  ハーフウェスタン3  ハーフウェスタン4  ハーフウェスタン5  ハーフウェスタン6  ハーフウェスタン7 ハーフウェスタン8

 

(2)なぜ、ハーフウエスタングリップなのか?(特長)

イースタングリップの打球を沈められる性質と、ウエスタングリップの打球を面に当てやすい性質の両方を半分ずつ持ち合わせたグリップだからです。

ラケット面はイースタングリップの性質が出て、手首より内側になります。そのことで前腕回内動作(手首〜肘間の腕を左に捻る動作)にて、浮いた球を床に向かって角度をつけ、はたき落せます。

ラケット面は立てた時に、左斜め前を向いていますが、手首をやや右に反らせば(または親指を前に向ける)、ラケット面は簡単に真っ直ぐ前に向きます。これはウエスタングリップの特長のおかげです。

 

【過去の経過編】
(1)ドライブやプッシュは、どのグリップ(握り方)が主流だったか?

バドミントンのグリップ方法は、大別すると2つあります。

①イースタングリップ(包丁を持つような感じで握る;リンク→フォアグリップ)
②ウエスタングリップ(フライパンを持つような感じで握る)

一昔前までは、ドライブやプッシュはウエスタングリップでの指導が主に行われていた時代がありました。

 

(2)なぜ、ウエスタングリップだったか?

低く速い球が飛び交うドライブやプッシュは、オーバーヘッドストロークの基本グリップであるイースタングリップですと、面が左を向いている分、面を正面に捻りにくかったり、捻るのに時間を取られてしまい、対応が上手くできませんでした。

そういうわけで、最初から面が真っ直ぐ正面を向いているウエスタングリップを推奨したわけです。

 

(3)ウエスタングリップの限界

ところが、ラケットが日進月歩の進化を遂げるとともに、軽量で弾き性能が向上すると、ドライブやプッシュでも鋭く伸びのあり、かつ重い球が打てるようになりました。

そうすると、今までのウエスタングリップでは、弾かれてネットしたり、押されてしまったりと不都合が出てきたのと、逆に自分がヒットした時に、弾きが良くなった分、バックアウトなどが出やすくなりました。

掌屈 掌屈

ウエスタングリップの致命的な欠点は、手首支点でラケット面が大きくスイングできないところです(手首の可動域の狭さ)。ラケットを立ててインパクトしてから、前に手首は最大90度しか倒れないのです(掌屈)。

ですので、スイングは肘を伸ばす動作(伸展)で前に押すような形になる分、スイングに時間がかかって遅れたり、コースを変えにくかったり、ちょっと浮いた球も床に向かって角度をつけて打ち込みにくかったりという使いにくさがありました。

手首関節は7つの小さな骨で構成されており、あらゆる方向に自由に動きます。しかし手と前腕(手首〜肘)の表裏には、手を操作する筋肉がコード状に縦方向に配線されている関係上、上下に手を反らしたり、曲げたりする(掌屈、底屈)のは、大きく動かすことができないのです。

 

グリップの握り方もラケットや技術の進化と共に変化していきます。
是非、お試しください。

参考:
前衛プッシュ(基礎)
ドライブ(基礎)
ドライブ(応用)
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「基本姿勢(構え:パワーポジション)を見直す」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。

 

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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