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スマートなプレーを養う習慣とは?
- 2017/1/30
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。樋口です。
スポーツでスマートなプレーというと、戦略や戦術が得意というイメージがあります。
今回は、それとは別観点で「発想」「ひらめき」という視点から、脳の動きを考えてみるとともに、普段、どういう観点で練習をすればスマート(頭脳的)なプレーができるようになるのかを考えてみたいと思います。
最後まで宜しくお願い致します。
【1】発想やひらめきは、脳内の色々な知識、経験の連携で生まれる
最近の科学雑誌に掲載されていた内容に、スポーツの天才を科学的にメスを入れようというものがありました。研究者が実験として取り上げたのが、サッカー界のレジェンド、アルゼンチンのメッシ選手です。
サッカーの試合を、一般のサッカー選手と、メッシ選手に見てもらい、ある困難なシーンからどう切り抜けるか、どう得点に結びつけるかを考えてもらい、脳を電気的にモニターするというものです。(因みにメッシ選手は「ファーシル(簡単だ)」と答えたそうです)
結果は一般選手に比べ、メッシ選手の脳はいろんな箇所が活性化していることがわかったそうです。
脳は我々の行動、活動全てを部分部分で分割して、手分けして処理しています。色々な部分が活性化しているということは、多様な情報を連携して戦略的な発想を作製していることになります。
【2】天才は全く異なる時間や場所、経験、カテゴリー、知識を瞬時に連携させるのが上手
科学誌が、最後に結んだスポーツエリートの定義の仮説がこれです。
多種多様な事象を跨いだ知識や経験を、脳内で瞬時に結びつけ、発想を作製、数々の攻略守備方法を次々に構築していくということです。
【3】この脳の習性を鍛えていくには?(情報の入力)
天才でなくとも、この脳内連携を人間が脳の習性として持っているならば、それをうまくトレーニングしてやれば、発想力やひらめきが養えると考えます。
脳内のいろんな部位の情報が役に立つということは、あるゆる経験知識は役に立つことになります。
要は、子供の頃から多種多様な遊びやスポーツ、学習に触れていることは、中学生後半から高校生以降の戦略的な発想ができ始める時期に役に立つというとになりますし、その後の飛躍にも繋がります。
多くの西欧諸国が幼少期は、いろんなスポーツを経験させてアスリートを育てているということもそのような理論に遠からず繋がるのではないかと考えます。
因みに戦略的な発想は、大脳皮質の頭頂部にある「空間認識野」という部位が担当しており、空間認識(例;空中でのシャトル位置の認識)の一種として、物事の「俯瞰」を行います。それが全体を見渡す戦略につながると言われています。この部位が充実するのが、大体14歳以降といわれています。
また成人においても、多くの情報が有益ということを鑑みると、バドミントンに全く関係ないと思われるスポーツや知識、情報に「この技術って、バドミントンにも応用できないかな?」という視点で興味を持つことも、戦略的な発想を磨く素養になるものと考えます。
【4】ひらめきがよく訪れる瞬間とは?(情報の創出)
脳は頻繁に動くと疲労します。その際に活動量を落として、クルマでいえばアイドリング状態に入ります。集中する試合の後に、ボーッと気が抜けることがありますが、あの状態です。
このアイドリング状態(デフォルトモード ネットワーク)の時に、脳はいろんな情報の整理やメンテナンスを行うため、脳の色々な部位にアクセスを行います。このときに、様々な情報が結びつけられることで、ひらめきが訪れやすいと言われています。
例えば、お風呂に入っている時、トイレの個室に入っている時などに、ふっとアイデアが閃くというのも、このアイドリング状態での脳の働き(デフォルトモード ネットワーク)の作用といわれています。
このリラックスしている時(デフォルトモードネットワーク時)に、試合や練習でよかったことを思い浮かべ、これってこういう様にやったら、もっと上手くいくんじゃないかなあと別状況に流用することを思い浮かべてみます。
また、逆に思いどおりいかなかったことを思い浮かべ、もっとこうすればよかったかなあと思い浮かべてみます。
このように簡単な脳トレを意識すると、脳は自身の色んな部位にアクセスをかけている分、普段自分が意識していない様な視点からの思いもよらない解決策が浮かんでくる能力の向上が期待できます。
【5】脳が色んな情報にアクセスできるベースを構築しつつ、具体的なバドミントンの戦略を学ぶ
上記【1】〜【4】で、脳が脳内に散らばっている多種多用な情報にアクセスしやすいベースを作りながら、並行して、具体的なバドミントンの戦略を学んでいきます。
緩急やコース、奇襲など簡単な配球などから、複雑な配球や、ルーティン、駆け引きなど高度なものにシフトしていきます。
これらを習慣化することで、速い展開の多いバドミントンにおいても、スマートなプレーの獲得が期待できると考えます。
お試しください。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回は、「プッシュを鋭く打つには?」です。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。