前衛プッシュを鋭く打つには?

こんにちは。樋口です。

シングルスでも、ダブルスでもネット前に詰めてきたり、前衛でシャトルを捉えた時に、攻撃的なショットとして、あるいは決めにいくショットとしてプッシュは使われます。

しかしながら、チャンス球だと思って強めに振ったのに、一向にシャトルには勢いがないなんてことがあります。
慌ててもっと強く振るとネットしたり、後ろにアウトしたり。。

さて、どうしたらよりコンパクトで鋭いプッシュが打てるのでしょうか?
そのちょっとしたコツについてまとめてみました。
今回も最後まで宜しくお願い致します。

 

(ステージ1)
【原因】ラケット面のスイング速度が見かけより遅い

チャンスと思って、思いっきり振ってみても、見かけ上のラケット全体のスイング速度に比べて、ラケット面のスイング速度は上がっていないのです。

シャトルに接触するのは、ラケット面ですので、そこのスイング速度が上がっていないとシャトルは鋭く飛びません。

 

(ステージ2)
【定義】ラケット面のスイング速度とは、なに?

スイング速度は正確にいうと、スイング時の加速度ということになります。加速度とは、オートバイと車をイメージしてもらえば分かりやすいです。

信号待ちで両車がスタートすると、オートバイが車を引き離します。制限速度50キロなら、そこに到達するまでの時間がオートバイの方が圧倒的に短いからです。この現象が加速度ということになります。

同じように、プッシュの場合も、ラケット面の加速度が速ければシャトルを鋭く弾き飛ばすパワーを得ます。パワー(力積)は加速度の大きさに比例して大きくなるからです。

 

(ステージ3)
【対策】 加速度を速くするには、手首を支点とした小さなラケットスイングにする

布団を干した時の布団たたきの際、すごくバンバンと音がします。あれは布団叩き棒のたたき面(ラケットでいうラケット面)が凄く加速されて、スピードが上がっているからです。

あれは肩やひじも振りますが、最終的に手首のスナップ(支点)で先端を加速させています。 もし、布団叩きで、手首を使わず、肩と肘だけで振ったらどうでしょう?
きっと強くたたけないはずです、棒の先端があまり移動してない(加速していない)からです。この原理は止まった蚊をたたくときも同じことが言えます。

なぜ手首関節が支点になりうるのでしょうか?ラケット面の加速度を速くするには、スイングの回転半径を小さくすることが必要になります。回転の速度(角運動量)は、半径が短くなればなるほど上がるという物理法則(→角運動量保存の法則)があるためです。

ラケット面から一番近い関節、手首関節と指関節を使ってスイングをするのです。基本的にスイングの支点となりうるのは構造上、手首関節になります。

指関節は、ラケット面が前に移動するときに握りこむ(小指〜中指)という役割になります。こうすることで、スイング回転半径がさらに小さくなるため、ラケット面の一層の加速に貢献できます。

 

(ステージ4)
【既存フォーム見直し】手首支点のスイングを重視し、肘関節や肩関節支点でスイングしない(腕を後ろに引かない)

肘関節や肩関節支点でスイングしようとすると、スイング半径が大きくなってしまうため、上記物理法則からラケット面のスイング速度(加速度)は落ちてしまいます。よって、シャトルが鋭く返りません。

 

【鋭くコンパクトなプッシュの打ち方】

①ラケット面の先端をなるだけネットとシャトルに近ずけていく(中途半端に浮いた球は、プッシュしやすい位置に落ちてくるまで待つ)

②接触する直前に、人差し指で15cmくらいラケット面を引く(手首支点)。その際、小指〜中指は緩めに握っている

③すぐに小指〜中指を握り込んで、ラケットが動き始めたら、すかさず手首も前に動かし、インパクト!(手首支点で小さくスイング、その代わりスピードを速くする)

(注意!1)この指の動作を入れないと肘を痛めますので、ご注意ください。
(注意!2)ラケット面も手首の内側に置いておこなってください。面が手首の真上や外側になると手首を痛めてしまいます。

 

お試しください。

 

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

次回は、「追い込まれたときに鋭い打球を打つには?(バック編)」です。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。

 

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樋口 孝雄

樋口 孝雄NPO団体代表者兼技術指導者、中学校及び高校外部指導員

投稿者プロフィール

NPO団体代表者兼技術指導者、中学校及び高校外部指導員
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者
中高生のためのバドミントン技術レッスン in 西国分寺代表者

外部指導活動(東京都内):

堀越高等学校
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般2団体

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