いつもバド×チェックをご覧頂きましてありがとうございます。近藤です。
更新が滞ってしまい申し訳ありません。またまた復活します。
前回までの内容を振り返り、シンプルにまとめると
「動きのしなやかさ、巧みさは、進化の過程や動きの成り立ちを考えると、背骨の動きとその安定性が重要ではないか」
という考察をしていたのでした。
手や足というのは、【水中】という環境から開放され、重力下に身を置くようになってから出現してきます。
魚は尾ひれによる推進力を得るために、背骨全体をうねらせるような動きを使っていますし、両生類なども手足を動かすよりも、体幹の動きのほうが大きいと言われています。
その後、脳の進化に伴い、手足を協調させ、より巧みな動きができるように進化していきます。背骨の動きや安定は低次の古い脳が担当すると言われていますが、高度に進化した脳の中であっても、その役割を失わず、その低次の脳の働きによる制御がなければ、高次な運動をした時に、動作の違和感や、巧みさが失われると、前回紹介したベルンシュタインは著書で述べています。
何か「タスク(課題)」が与えられた時に、スポーツパフォーマンスもそうですが、そこには必ず「五感」というフィードバック機構を利用した「判断」をする必要があります。その際、「視覚」は大きなフィードバックを脳内にもたらしますが、その目線の安定のために、頭部の安定は非常に重要であり、その頭部の安定のためにも、背骨の可動性と安定性が重要になってきます。
奥のコート、リン・ダン選手がフォア前を取りに行く場面ですが、身体全体で力を溜めつつも頭部は水平位を保っています。
これだけ大きな動きをしていても、「シャトルを正確に狙った所に打つ」という【タスク】があるために、無意識のうちに頭部を水平に保っています。
このような動きは、頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨といった背骨全体が、全体を協調させしなやかに動かなければ不可能ですし、頭部をタスクに合わせた形で安定させなければ、当然ミスが多くなるはずです。
では、背骨はどのように構成されていて、どのように動くのでしょうか。
あまり難しくしても、意味がないと思いますので、シンプルにまとめておきます。
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背骨は脊柱と言い、頚椎・胸椎・腰椎から構成されている
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背骨は、機能解剖学用語だと「脊柱」と言います。
そして、脊柱は「頚椎(首)」「胸椎(胸部・肋骨部)」「腰椎(腰)」から成ります。
仙骨や尾骨、腰仙関節、仙腸関節も脊柱を構成する非常に大事な部分ですが、難しくなってしまうので、今は触れないでおきます。
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頚椎の動き
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頚椎は、首の骨です。
脊柱を構成する部分で最も大きな可動域を持っています。このことからも、頭部の安定や視覚の重要性が伺えます。
機能解剖学的な動きの用語として、屈曲(曲げる)・伸展(反らす・伸ばす)・側屈(横に曲げる)・回旋(回す・捻る)があります。
頚椎は、屈曲〜伸展で100°〜110°、側屈片側35°、回旋片側45°あります。
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胸椎の動き
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胸椎の動きは、屈曲〜伸展60°、側屈片側20°〜30°、回旋片側35°
頚椎ほどではありませんが、胸椎も多方向へ大きく動く特徴があります。
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腰椎の動き
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腰椎の動きは、屈曲〜伸展60°、側屈片側20°、回旋片側5°
注目すべきは、回旋が約5°しかない、という点です。
腰部はあまり回すことができません。よく回るのは、頚椎と胸椎です。
腰の障害や動きのしなやかさを考える時に、この部分の理解は重要です。
また、「回旋以外は胸椎と同程度動く」というのも大事な部分です。
私の経験上、側屈や回旋の動きに、胸椎部分・腰椎部分で左右差が起こり、中心軸がズレてしまう場合が多いです。
このような状態になると、どうしてもどちらかの足に重心がきてしまうということが起こります。なかなか記事のみで説明をするのは難しいのですが。
以上の、それぞれの可動域を全て足していったり、組み合わせたりすると、非常に多彩な動きをすることができ、頭部をあらゆる所に位置させることができるのがわかると思います。
また、難しくなるので詳細はまたの機会にしますが、この単純な動きに加えて、「カップリングモーション」と言われる、法則性のある動きの組み合わせが存在します。
序盤でお話したように、まずは脊柱の動きと安定が大事ではないかと提起させて頂きました。実際の指導現場でも、この考えは大事にしていますので、毎回ウォーミングアップに組み込んでいます。
次回は、実際にどんなウォーミングアップを行うのかをご紹介しますね。
本日も最後までお読み頂きましたありがとうございました。
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普段は、東京都練馬区大泉学園でパーソナルトレーニング専用スタジオで、トレーニング指導を行っております。
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