フォアロブ解体新書〜8つのスイング動作のハイブリッド!

こんにちは。樋口です。

フォアロブなどの基礎技術で、初心者や初級者だけでなく、問題なく打てるのにフォームがイマイチ、過去に指導を受けたことが少なく、フォームに自信がないという中級以上の方もおられると思います。

バドミントンのフォアロブスイングは約8つもの小さなスイングが連結した形態をとっています。ですので、それら小スイングを再現できている数が多ければ多いほど、整ったフォームに近づくと考えます。

もちろん、力さえあれば、この8つの内で幾つか欠けても問題なくシャトルを飛ばすことができます。しかし、8つが満たされればされるほど、フォームが綺麗になったり、効率的に力が伝わるため、相手に崩されて力が入らないピンチな状況でもより安定したプレーに繋がると考えます。

今回はフォアロブの構造を4つのステージで分解、より効率的なフォームの構築でスキルアップを狙いたいと考えます。

最後までお付き合いのほど、お願い申し上げます。

 

(ステージ1)
【複雑な連結構造の原因1】 複雑な構造は、打つべきシャトルが自分ではなく、床に向かって失速してくるので、前方向や上方向に飛ばす力を供給するため

経験者が初級者の方にフォアロブを教えられるとき、意外に難しいことに気がつきます。見た目は下から斜め前上方向にラケットを振って見えるので、その通り教えてみると、空振ったり、真上や左右、あらぬ方向に飛んだり、また、全然飛距離がでなかったりして、教える方を悩ませるものです。

テニスや卓球にもロブ(ロビング)に相当するストロークがありますが、バドミントンとの大きな違いは、ロブで打つべきボールが球体であるため、ワンバウンドの後に基本、プレーヤーの方向に近づいてくることです(前後方向)。

テニス弾道   バドミントン弾道

それに対して、バドミントンでフォアロブで対応するときのストロークは、カットやドロップなど、プレーヤーの身体の前のスペースに失速して落下してくる球種です。すなわち、プレーヤーの身体に向かっては来ず、やや垂直気味にダイレクトに床に向かって飛行してくるのです。

テニスなど身体に向かってくる球体は、その勢いの反動を利用して、前方向の力を出しやすくなります(ニュートンの運動第3法則;作用と反作用の法則)。

しかし、バドミントンでは、シャトルが床に向かってくるため、前方向への反作用の力を使いにくい分、スイングによって発生する力(回転運動量(角運動量)、筋肉力など)を増して対応しなければなりません。

作用反作用(テニス)

 

【複雑な連結構造の原因2】 複数の関節に挟まれた各骨は異なった方向に稼働するため、複数のスイングが存在する。それらをうまく連結させることでスイング全体を楕円軌道にするため、複雑な構造になっている

スイング力を増すためには、ラケット面のスイング距離を長くするという手段がありますが、単純に後ろから前方向に距離を伸ばそうとすると、やり投げのように助走が必要になってしまいます。そこで、ラケット軌道を縦の楕円に曲げてスイング距離を稼ぎます。

フォアロブスイング ←クリックすると画像が動きます。

その際、腕は一本の棒ではなく、複数の関節に分かれ、それぞれの骨の可動する方向も違うことから、各腕のパーツ(骨)の動きに迎合しながら、腕全体の動作としては、楕円になるようにしています。

筋肉の動く方向

そのため、8つもの異なるスイング動作が複雑に連結する結果になっています(列車がカーブを曲がるとき、個別の車両は長方形ですが、連結部分で角度をつけ、列車全体としては楕円軌道を描くのと類似しています)。

 

(ステージ2)
【分解結果】8つのスイング動作が存在し、それが順番に連結している

《スイング①》
右肘を下げる動作(手首支点)


肘を下げる

 

《スイング②》
前腕(肘〜手首)を右に捻っていく動作(前腕回外動作)


前腕回外動作

 

《スイング③》
手首を反らす動作(背屈)


手首を反らす

 

《スイング④》
肘を伸ばす動作(伸展)


肘を伸ばす

 

《スイング⑤》
手首を前方にやや移動する動作(肩支点)


手首を前に移動

 

《スイング⑥》
前腕(肘〜手首)を左旋回させる動作(前腕回内動作)

前腕回内1  前腕回内2  前腕回内3

 

《スイング⑦》
肘を上に上げる動作(肩支点)


肘を上げる

 

《スイング⑧》
肘を曲げる動作(屈曲)


肘を曲げる

 

《連結結果》

 

(ステージ3)
【この打法の長所】

打法には、剣術の流派がたくさんあるように、バドミントンにもいろんなアプローチ方法があります。 大切なことは、この打ち方にすべきだと固執するより、打ち方ごとの自分にとってのメリットが多い方を選択、または一部分を参考にするやり方が賢明と考えます。

さて、この打法の長所ですが、

長所① スイング①でラケット面が下またはやや下を向いているため、相手にプッシュを意識させることができる。

相手にプッシュを意識させることができると、相手が速い打球への準備で身体を硬く身構えたりして、スタートが遅らさせたり、下向きの低い弾道への準備で重心を下げたりするので、上方向に上がるロブへの対応を遅らせたりすることが期待できます。

長所② スイングが弧を描くのでスイング距離が長くなる分、打力があがるため、上半身の力みからくるミスが減る

長所③ 細かいスイングの集合体でお互いがフォローしあうため、全体的なスイングフォームが安定する (コントロールも安定する)

 

(ステージ4)
【練習方法1】 素手でスイング練習

【練習方法2】 ラケットでスイング練習

フォアロブスイング練習 ←クリックすると画像が動きます。

【練習方法3】 手投げノックとパターン練習

フォアロブ手投げノック  フォアロブパターン
動画)横から打っているところ

お試しください。

 

次回は、「ロビングで右斜め前方向に面が切れる〜プレーヤーやコーチを悩ませるKING OF クセ動作」です。

今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。

 

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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