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新しい技術を自分で増やしてより早く上達するコツ
- 2016/7/4
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは。樋口です。
私が指導を始めた頃、10年くらい前になりますが、その頃は理論に基づいた技術をやさしく伝える指導が、今ほど世間に公開されている状況ではありませんでした(決してなかったわけではなく、メディアやプロコーチのような伝える媒体が少なかったと考えています。「私がやってきた練習方法の紹介」という切り口の情報が多かった印象があります。)。
当時に比して、現在は優秀なプロコーチの方々、技術について解りやすい書籍やインターネット教材などが数多く出てきており、最新の技術情報や理論が、一般プレーヤーの手にも入りやすくなってきているなあと感じます。よい時代になってきました。
今回は、そんな好転する状況の中、獲得した新しい技術を基にして、どうやって自分で新しいテクニックや上達方法を創出し、上達速度を3倍、4倍にするかを4ステップで考えてみたいと思います。
今回も最後までお付き合いのほど、よろしくお願い致します。
(ステップ1)
【定番方法】学んだ新技術を復習する
プロコーチや教材は、いつも通常練習時に私たちと共にいるわけではありません。そこで、復習に頼ることになります。
復習は古来からある定番の方法です。メモなどをまとめ、忘れないようにして、通常練習や自宅で再現練習を繰り返します。
人間の脳は、繰り返すことによって、神経回路の効率化(不要な回路を切ってしまう取捨選択)を行いますので、反復練習は効果的な練習法です。復習しないと忘れてしまう(学習の可逆性)というのは、使う比率の低いものは消去するという、有限な脳細胞の効率的な使い方とも言えます。
(ステップ2)
【新技術の多角化利用】新たに獲得した技術を利用できそうな類似状況を、具体的に考えてみる
新しい技術を学んだ際に、その技術(打法や身体の使い方のコツ等)は、何かのストロークや試合での1場面(状況)を切り取ったノックやパターン練習でおこなわれる場合がほとんどだと考えます。
例えば、弊コラムの強襲スマッシュ強襲への返球方法(→2016/5/16「スマッシュ強襲に手が出ない。レシーブとりあえず何とかしたい!」)を例にとってみると、「強襲(予想に反して)放たれたスマッシュ」が場面(状況)になります。
この状況について、類似した性質の状況を、より具体的に推測してみます。
例えば、「ダブルスで、こちらのスマッシュレシーブを、予想に反して前衛がプッシュしてきた」、「スマッシュがボディに急に打たれた」「ダブルスでサービスプッシュを飛びついて打たれた」「クロス方向からスマッシュ急襲を受けた」「シングルスでサイドラインギリギリにスマッシュを打たれて、身体や腕が伸びてしまった」etc.
こんな感じです。より具体的に状況を想像してみるのが、ポイントです。書き出してみると、論理を司る脳前部にある「前頭連合野」という部位が、脳内で感覚的(直感的)なアイデアを理路整然と整理してくれるので、さらなるアイデアが出やすくなります。
(ステップ3)
【オリジナルメニュー化】 出てきた類似状況の文章の後ろに、「〜ときに、**(新技術内容)するコツ」 「〜場合に、**(新技術内容)する技術」をつけてみる
上記の例でいうと、「ダブルスで、こちらのスマッシュレシーブを、予想に反して前衛がプッシュしてきたときに、レシーブをなんとかするコツ」、「シングルスでサイドラインギリギリにスマッシュを打たれて、身体や腕が伸びてしまった場合に、レシーブをなんとかする技術」
こんな感じです。これで、オリジナルメニューのタイトルと応用できる状況が、具体的に浮かび上がってきました。
(ステップ4)
【オリジナル練習メニュー化】オリジナルメニューをノックやパターン練習で再現する
画像)ノック
上記、「ダブルスで、こちらのスマッシュレシーブを、予想に反して前衛がプッシュしてきたときに、レシーブをなんとかするコツ」の例でいうと、「基礎打ちのプッシュ&ネット」、「ネット前からプッシュノック」、「半面2ー1で、1がロングサーブを上げてスマッシュを後衛に打たせて、ドライブレシーブ、前衛にプッシュさせてそれをレシーブ..」など、状況を具体的に想像して、練習メニューを創出します。
難しい部分は取り出し、単独メニューにしたりして(上記例なら、「基礎打ちのプッシュ&ネット」、「ネット前からプッシュノック」)先に行うと、上達がスムーズになります。
【補足】
技術というものは、上記のように多角的な視点で考えてみると、良い意味で「応用という名の使い回し」が出来ると考えます。しかし、メリットはそれだけではなく、具体的な状況を脳にイメージ(疑似体験)させることで、本番予習効果も期待できます(イメージトレーニング)
普段の練習では、こんな練習方法があって、これはこんな効果があるという流れになります(ときには何も意識しないで、こなすだけのこともあるでしょう)が、今回の方法は、こんな技術を学んだから、こんな場面や練習方法も有だねというある意味、逆説的な発想になります。それにより、ピンチにも自らより考え、行動できるようになると期待できます。
お試しください。
次回は、「初心者メニューをこなす際の注意点〜マニュアル補足」です。
今回も最後まで、お読みいただきありがとうございました。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。