ヘアピンが浮いてしまう。どうしたらいい?

こんにちは、樋口です。

ネット前に仕掛けたり、仕掛けられたりして、ヘアピンを打ちましたが、浮いてしまい、叩かれてしまった。こんな経験誰しもあるのではないでしょうか?

ヘアピンがうまくコントロールできないと、前での勝負が怖い分、相手を追い詰め折角前に逃げてきた時も、ロビングを上げることになってしまい、無用にラリーが長引いたり、逆襲を許してしまったりします。

ラケットの進化を視野に入れながら、浮かないヘアピンをどう打てばよいのか、今回は、小学生初心初級者のヘアピン構築風景を見ながら考えてみます。

最後までお付き合いを宜しくお願い致します。

 

【背景1】
ラケットの日進月歩の進化とともに、打球技術もコンパクトな方向に変化している

1950年代のテイクバック11950年代のテイクバック2

1950年代のオーバーヘッドスイングフォーム11950年代のオーバーヘッドスイングフォーム2
「図解バドミントン」不昧堂発行より抜粋

上記は、1950年代のバドミントンのレッスン本からのイラストです。
ラケットを担いで、大きく振り回すようにスイングするように指導してあります。

いまではNGのフォームですが、木製(ウッド)ラケットは、現在に比べて重く(130g)、反発力も格段に低かったため、野球のバッティングフォームのように大きな筋肉を動員して、シャトルを飛ばしていたのです。

現在はラケットの性能向上で、このような大きなテイクバック動作は不要になっています。

 

【背景2】
ラケットの進化で反発力(シャトルの弾き)などがよくなるに伴い、ヘアピンでは、逆にシャトルの勢いを抑える技術が重要になっている

デュオラシステムヨネックス社カタログより抜粋

上記は、あるラケット会社が開発した最新のフレーム技術ですが、攻撃で多く使うフォア面には、高反発素材と形状を、レシーブで多く使うバック面には、反発を抑える素材と形状をと、分けて配したフレーム技術です。このようにシャトルの勢いを抑える技術も進化しています。

以前の見聞きしたヘアピン技術指導では、シャトルの下にきちんと右足を入れて、着地して上体を支えてから、当てにいくという傾向があったように感じます。

右足着地をすると、踏み込んだ力と体重に比例して、体重の約2倍程度の力が床から得られます(床反力:跳び箱の踏み込み板は、この原理を応用、バネで増幅したもの)。これを利用しながら、またシャトルを重心の移動も加えながら、前方に押し出す。という理論が想定できます。

そう考えると、床反力を利用するには、右足を着地してから、床反力が上半身にあるラケットまで伝わってからインパクトする。つまり、右足着地とインパクトまでに時間差が必要であったと考えられます。

ところが、ラケットの性能が格段に上がり、非力なプレーヤーや子どもでもシャトルが容易に飛ぶくらい弾きが良くなってくると、話が変わってきます。

要は、ラケットの弾きだけで、充分にシャトルがネットを越えるようになってくると、床反力や、身体での押し出す力、スイング、握り込みなど、シャトルに力を伝える動作は、不要な動作となり、却って、シャトルの動きを繊細に制御する上では、阻害要因となりえます。

いかに、それらの不要な力(動作)を抑える試みが、ヘアピンのシャトルコントロールを増すと考えます。

 

【現象】
シャトルの勢いを抑えて、シャトルをなるだけネット近くに急降下させることは、有効な攻撃手段

ネットからの打点の距離2

相手がネット前に逃げてきたり、こちらがネット前に仕掛けたときに、極力ネット近くにシャトルを急降下させることは、相手の対応時間を削るという意味で、非常に有効な手段です。(→2016/4/21コラム「ドロップやカットでしつこく繋いでくる相手にどう対処すればいいの?」参照)

足の速い相手に、少々強めのドライブの打ち合いを仕掛け、相手を真ん中辺りに釘付けにして、前に僅かな空きスペースを作り、そこにシャトルを急降下で落とし込んで攻撃するというような配球戦術も立案できます。

 

【対応策1】
右足のかかとを着地するのと同時に、インパクトをおこなってみる

ヘアピン1 ヘアピン2

試合では、後方から前に猛スピードで出てきて、ヘアピンを打つ場面もたくさんあります。その際に発生する不可避なエネルギーは、身体を前に移動し続けようとする力(慣性力)です。

クルマや電車で急ブレーキをかけたときに、前方にコケてしまう、あの現象です。
前にダッシュしてきて、右足着地でブレーキをかけると、慣性力が発生し、床反力と共に、上半身に伝わってきます。

これらの力がラケットやシャトルに伝わってしまうと、シャトルに過大なパワーが加わり、制御が難しくなります。
そこでこれらの力が伝わってくる前に、インパクトしてしまおうというわけです。すなわち、右足かかとが着地するのと同時にインパクトを行います。

そうすると、余計な力が加わらない分、シャトル制御が非常に容易になります。

 

【対応策2】
その他、指でグリップを握り込まない、腕や手首でのスイングなどもしないなど、極力、余分な力を排除する

バックヘアピンでのグリップ握り方1 バックヘアピンでのグリップ握り方2 バックヘアピンでのグリップ握り方3

 

【対応策3】
ネットの白帯にぶつけるように打つ

 

【補足】ネットから距離がある場合や足の長いヘアピンを打ちたいときは、膝の位置を少し動かして慣性力で微調整する(「膝で送り込む動作」)

お試しください。

 

次回は、「いまだから改めて考える 『フォアハンドグリップ』の握り方 」です。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。

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樋口 孝雄バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術研究・指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ

競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
西国分寺バドレッスン for 中高生 代表者
→ (https://minton.jp/Group/detail/158)
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

実践学園高等学校 女子バドミントン部ヘッドコーチ
平成29年度全国中学生大会神奈川代表コーチ
堀越高等学校 男子バドミントン部
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般3団体

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