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ドロップやカットでしつこく繋いで来る相手にどう対処すればいいの?
- 2016/4/21
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、樋口です。
ダブルスで、ドロップやカットを何本も繋いでこられて、しかも、それらが浮かずに的確にネット際に配球され、振り回されてしまい、最後にスマッシュで決められるといった経験はありませんか?
浮いてきたとしたら、簡単にプッシュで叩き込めばよいのですが、大体がよく練習されていて、浮いてはきません。スマッシュを打つふりをしたりしながら、確実にネット前に繋いできます。ロブを上げて繋いでいて、ちょっと低いアタックロブに切り替えたら、跳びついて速いスマッシュを繰り出してくる。中々手強い攻撃です。
今回は、下記4ステップで、配球や視覚的な視点をベースにこの攻撃にどう反撃していくかを考えてみます。
今回も最後までお付き合い宜しくお願い致します。
(ステップ1)
【現象】年齢が上がるにつれ、スマッシュ攻撃の速度が落ちてくる。その代替策として、つなぎショットによる攻撃が存在する
10〜20代の頃は、身体がどんどん完成に向かっていくので、スマッシュなどの力技による攻撃が主体になります。しかし、加齢につれ、筋力等は衰えるので、力技だけに頼った攻撃は難しくなります。
同時に、脚力も衰えてくるので、ダブルスにおいても、相手の脚力の衰えを狙って、ネット前にドロップやカット、後ろにドリブンクリアーなどを打つのが効果的になってきます。
この相乗効果で、年齢が高くなってくると、ネット前にしっかり繋ぎ、相手を揺さぶって、チャンス球を待つという攻撃が多くなります。
(ステップ2)
【原因1】相手が縦横無尽につなぎ球をネットに打てるのは、時間に余裕があるから。
相手がネット前に繋いで来る時に、こちらの返球が相手に返るまでに時間が多くあると、相手はミスをせずに何球でも返球してきます。相手は、繋ぎではなく攻撃の一種と捉えているので、普段の練習で反復練習をしているはずで、精度が高くなっています。
【原因2】相手に時間の余裕を与えているのは、インパクトの位置がネットより離れているから(手前であるから)。
相手に時間的余裕を与えているので、ミスなくつなぎ攻撃をしてくる。と書きましたが、時間に余裕を与えているのは、打点の位置と考えます。シャトルを低い位置で捉えていたりすると時間的に返球までの時間がかかるため、相手に余裕を与えてしまいます。
しかし、最も気をつけなければいけないのは、「奥行き」と考えます。
要は、「ネットにどれだけ近い位置で触れているか?」ということです。
人間の目は、前後の奥行き(立体視)を捉えるのが、苦手です。元々、映像を捉える目の網膜も2次元ですし、あくまで、2次元映像を脳内(後頭部の視覚野、頭頂部の空間認識野など)で3次元映像変換しているので、3次元の立体視が苦手なのです。
例えば、ラリー中にコートのこちらから、自分の打った打球で、飛行するシャトルが前後どの位置辺りを飛行しているか、一瞬で判断できる人はいるでしょうか?左右ならなんとなくわかります。高さもこのくらいとわかります。でも、前後はなかなか難しいと考えます。
ですので、ネット前に来たときときも、より高いところで打球しよう、サイドに振られたときも、より速く打球しようまでは、意識できるのですが、脳が苦手とする3次元の奥行き、「より前で」=「ネットになるだけ近いところでシャトルに触る」という部分が中々実行できません。
特に、シャトルの弾道が長く打ってきたとき(カットなどで)などは、打点の高さは十分でも、ネットから離れた位置で打っていると、打球時のネット上から自分のラケットまでの距離と、返球時の自分のラケット面からネット上に戻るまでの飛行往復時間が長くなる分、自分だけでなく、相手にも時間的余裕を与えてしまっているのです。余裕が出る分、相手はミスをしにくくなります。(脳がそこに気づきにくいのも難点なのです)。
(ステップ3)
【対策】相手の打ち癖や相手を追い込んだときに、相手の打つコースが絞れたときは、腕を伸ばして、なるだけネットに近いところで触る、または指の握りこみ(小指→人差し指)で弾く ようにする。
相手は、必ず得意なつなぎコースを持っていたりするので、フォアに低く打ったら、フォア前にカットをかけて長めのカットを打ってくるなど、配球が読めることがあります。そんなときは、そのコースにやや早目に入り、腕を伸ばして、ネットになるだけ近い位置で触る、または指の握りこみ(小指→人差し指)で弾くようにします。「打つ」必要はありません。(浮かないよう計算された配球ですので、叩けばネットに引っかかってしまう確率が高いです。 (→2016/3/31コラム「相手の前衛に叩かれにくいドロップを打ちたい!どうすればいいの?」 参照)
「触る」ようにして、相手コートネット近くにシャトルを急降下させるようにします。シャトルはサービスラインよりかなり前、ネットすれすれに垂直に落ちます(超短時間で)ので、相手前衛でも、上で叩く時間すらありません。
極僅かな時間で、シャトルは着地するので、相手は取れても、前衛が床ギリギリで触る感じになります。よって、返球はこちらにとって、チャンス球になります。
また、「指の握りこみ(小指→人差し指)で弾く 」は、ラケット面のスイング半径が非常に短くなるので、ラケット面のスピード(加速度)が上がるので、強く弾くことができるのと、スイング半径が小さくなる=コンパクトなスイング=スイング時間の短縮=ミスが減るという効果が期待できます。
くわえて、幸い相手を低い球などで左右に追い込んだときは、返球の選択肢が2個くらいに減ります(スマッシュやカット、ドロップなど、オーバーヘッド系のストロークは選択肢から外れるため)。要はシャトルが来るコースが絞りやすくなるのです。そのときも上述と同じような対応をとると効果的です。
(ステップ4)
【応用】ネット近くで触る動作から、急降下ヘアピン。指の握りこみで弾く動作で、高低ロブ、スライス動作でハーフ球、クロスネットなどの打ち分けをする。
ネット近くで触る動作確認では、指を使ってラケット面を斜め前下方向に向けられると、シャトルはネットの真下に急降下します。これを指を使って面の向きを変えて、ヘアピン、クロスネット、アタックロブ、高いロブ、ハーフ球など打ち分けをしていくと、相手は、次第に時間を削られた中で、繊細なシャトルコントロールをしなくてはいけない分、ミスなどの自滅や、そもそもこのつなぎ攻撃ができなくなってしまいます。
うまく応用して、相手のつなぎ球攻撃に付き合わずに、反撃したいものです。
お試しください!
なお、スライス動作については、また回を改めさせていただきます。
次回は、「『アーーッ!うまくいかない!(-“-) 』 ~ 試合でのイライラのしずめかた」です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。