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頭上を越されてしまったシャトルを、フォアでクロスにつなぎたい!
- 2016/2/22
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、樋口です。
試合の中で、バック奥からのスマッシュをフォア奥に大きく振られたり、ネット前からフォア奥にアタックロブを送り込まれたりして、打点も低くなってしまい、危機的な状況に追い込まれたことがありませんか?
今回は、フォア奥で、しかも打点が自分の身体より後ろで、かつ打点が低くなってしまうという追い込まれた状況で、クロスに逃げ球をつなぐ打ち方について考えてみます。
下記の3つのステージで、打ち方を提案して参ります。今回もお付き合いお願い致します。
(ステージ1)
【現象1】バドミントンのスイングは、複数のスイングのハイブリッド(混合)
まず、考え方の前提として、バドミントンのスイングは、単純な一振りのように見えますが、分解して考えてみると、複数のスイングが存在し、電車のように連結していることがわかります。
そのことを理解していないと、上級者のスイングを真似しようとしても、中々上手くできません。
なぜバドミントンには、複数のスイングが存在しうるかというと、シャトルが軽いので、腕に複数存在する関節、指や手首といった小さな関節周りの非力な筋肉群でも、シャトルの飛行に十分、力を与えられるからです。
【現象2】今回のスイングは3つあり、決まった並び順がある
今回のスイングは3つのスイングに分解できます。そして、料理のレシピのように決まった順番で並んでいます。料理もレシピの順番を守らないと、何か一味足りないなあということになるのと同様、順番通りに正しくスイングすることが必要です。
もし、同時に2つのスイングをやってしまったり、スイングが一個抜けたりすると、たちまち、思い通りに打てなくなってしまいます。ここがこのストロークを難しく見せているトリックです。
今回のフォア奥低い打点からの逃げ球(リカバリーショット)も、たった3つのスイングの連結ということで、技術的にはシンプル(大きなパワーも不要)なのですが、各スイングを正確に連結させる精密さが要求されます。
(ステージ2)
【対策準備1】グリップの握り方は、親指を内側の広い面に縦に添え、ラケットを立てる。そして手の平側が顔の方を向くように、手首を内側に折り曲げる(底屈)
親指の位置をグリップ内側の広い面に置き、やや右手首を反らし(背屈)、すこし手首を上に挙げると、ラケットが立ちます(リストスタンド)。その状態だと、ラケット面がややクロス方向に向くため、クロスを打つ準備ができます。
しかし、今回は打点が上半身より後ろなので、リストスタンドだけだと、面がストレート方向を向いてしまいます。そこで、よりクロス方向に面を向ける必要があります。
そこで、手首を内側に曲げる(底屈)によって、面をよりクロス方向〈自分の顔の方向)に向け、打点が身体の後ろでもクロス方向に面が向くように調整します。
【対策準備2】右足を、飛んできたシャトルの方向(右奥)に踏み込む
右足は、シャトルの方向、右奥に踏み込みます。
ストロークを打つ際は、安定した姿勢で打つことがミスを減らします。打球時の姿勢を安定させるには、身体の重心(へその下、骨盤内)が両足間の空間(支持基底面と言います)にあることが必要です。
したがって、右足をシャトルの落下方向に大きく踏み出し、打点が右奥にあっても、重心が両足間の空間(支持基底面)内にあるようにします。そうすることで、安定した打球姿勢がとれます。
このような動作で、頭上を越えたシャトルも安定して対処ができます。
(ステージ3)
【対策1】 1つ目のスイングは、手首を床と平行移動させる
胸を開いた(肩甲骨を閉じた)テイクバックをとり、左肘をたたむのと同時に、右肘を伸ばしていくスイングを開始します。
インパクトを身体の右斜め後ろで行ったら、右肘を軽く伸ばした状態で、右肩(右肩〜右腰を結ぶライン)の真横まで並行移動のスイングを行います。
これは、打点の位置が低いため、自分の身体が邪魔になって、クロス方向にシャトルを打てないので、内側に向けたラケット面でくるむように、身体の横までシャトルを運んでくるイメージになります。
加えてラケット面とシャトルの羽根の接触と擦れる動作で、シャトルに緩い回転がかかるため、シャトルが斜め上方向に浮き上がります。
この動作を欠いてしまうと、よく見られるミスですが、上から下へのカットスイングになってしまうため、シャトルを下に叩きつけてしまいます。
【対策2】 2つ目のスイングは、手首を支点にラケット先端を倒していく
このスイングにより、シャトルの右斜め上から左斜め下にカットをかけます。1つ目のスイングでやや浮き上がったシャトルの軌道が、下方修正されます。
また、カットによりシャトルの回転が増すことから、シャトルの速度が上がります。
【対策3】 3つ目のスイングは、脇を締めて、上腕(右肩〜右肘間の腕)が右側胸にくっつくようにする。ラケット先端は打球方向に伸ばす。
最後の一押しということで、打球方向に押してあげます。脇を閉じることで、身体からラケット面までの回転半径が狭くなる分、スイング速度も上がります。
ここで再度、スイング1~3まで通しのスイングです。
(ステージ4)
【練習】手投げ練習で作っていこう!
スイング練習によるフォームが固まってきたら、手投げノックで実際のシャトルを打っていきます。
ステップなしのスイングから始めて、当たるようになってきたら、一歩踏み込みを入れて練習します。かかとから着地し、つま先が着地するタイミングとインパクトするタイミングを合わせるようにします。
最後に、まとめの動画です。
お試しください!
次回は、「腕を引きながら打つ?いったいどういうこと? 」です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。