こんにちは。バド育担当の齋藤です。
一気に寒くなりましたね。長野ではやっと雪が降り長野らしくなってきました!
その分とても寒いので体育館での活動はとてもつらい季節でもあります。
汗をかくと一瞬にして冷えるのでとにかく汗を拭く!鉄則です。
さて、前回は「わからない」ということをテーマに、「わからない」ことを伝えることを考えてみました。
(前回記事:学年№1の秀才から学ぶ、コミュニケーションの大切さ。)
今日のテーマも「わからない」ということなのですが、今回は「わからない」というところから「ミスへの気付き」について考えてみたいと思います。
ミスをしたときの「わからない」
まずは「わからない」をミスした場面に当てはめて考えてみましょう。
ミスをしたときの3つのわからない
- なぜミスをしたのか「わからない」
- どうやったら良くなるのかが「わからない」
- ミスしたことがわからない。
以上のようにミスしたときの「わからない」を分類してみました。
いかがでしょうか。
では一つずつ見ていきましょう。
①のなぜミスをしたのか「わからない」 については初心者や初級レベルの選手に多いように見受けられます。
まだまだ打つことだけで精一杯、動きが入るとパニック!!など。
自分が何をしているのかがわからない状態と言えますね。
ネットに引っかけたりアウトになったり、相手のチャンスボールになったりと自分がミスをおかしてしまったことには気づいています。
しかしそのミスの原因がシャトルとラケットのコンタクトなのか、フットワークなのか、フォームなのか・・・
そこまでは理解ができていない状態と言えるでしょう。
②のどうやったら良くなるのかが「わからない」については、きっとこれではいけないのだろうということはなんとなくわかっている。
がしかし、正解も見えていない状態です。
上達するにつれ、なぜミスしてしまったのかに気付けるようになってきます。
「打点が低かったんだ」とか「グリップを強く握り過ぎてしまっていた」とか、自分なりに原因を分析できるようになります。
「じゃあ、どうすれば良くなるの?」
となると、「・・・。」となってしまうか、はたまた「打点を下げない」とか「グリップを強く握らない」という反応が返ってくるのが特徴かと思われます。
「打点を下げない」や「グリップを強く握らない」というのはわかっているようで実はわかっていない表現です。
国語のテストで「早い」の反対を「早くない」と書いたら残念ながら点数をもらえないと思います。(点数もらえませんよね?)
打点を例にしてみると、「打点が低いことは良くないであろう」ことはわかっていても「どこの打点で打てば良くなる」かはいまいちピンときていないということです。
余談ですが、反応としては「・・・。」がわかりやすいですね。
「あ、わからないんだな。」と思えますので。
それよりも「わかりません」と言ってくれるのが一番伝わりますが(^_^;)
さあ、③です。
「ミスしたことがわからない」
そんなボンクラいないでしょ!?
とツッコミたくなる気持ちもわかります!
がしかし、案外といるものです。
たとえばレシーブをミスして点を取られた時に一所懸命レシーブの素振りをしている場面を見たことありませんか?
ちなみに私はよく見ます(/_;)
しかしコートの外からは全体がバッチリ見えているわけです。
すると思うわけです。
「いや、ロブがめっちゃ浅いやん(゜-゜)」と。
このような場面で最終的なミスはレシーブかもしれませんが一つ前のショットに問題があったりすることは往々にしてあります。
この場合、改善するには「自分が本当にミスしている場面がどこなのかを知る」ことが必要です。
ミスに気付いていない場合には「このようなミスの種類もあるのだな」と認識してもらう必要があるのかもしれません。
ミスに気付くこと=成長イメージとは限らない
①③と②には決定的な違いがあります。
それは・・・
「本人がミスに気付いているかどうか」
ということです。
①③では本人がミスに気付いていなかったり、ミスそのものの種類に気付いていなかったりするので、「どのようなミスであるのかということを知ることが上達につながっていく」と思います。
しかし、②では自分がミスしてしまったこと、そしてなぜミスしてしまったのかということを自分なりに気付いています。
ミスしたことを伝えてもあまり効果がない場合と言えるでしょう。
つまり「本人もミスに気付いている。しかし修正ができない。」という状態です。
では、どうしたら修正につながっていくのかというと
「このように変われば良いのだ!」
というイメージを掴んでもらうことです!
出来ていないことには気づいているけれども、どのようなものが目指すべきものなのかという実感がないわけですね。
「自分のプレーがどうなったら良いか」ということを一緒に考えたり、「目指すプレーのかたち」を示してあげたりすることで選手自身の工夫がみられるようになればしめたものですね。
「人は変わることができる。しかし人を変えることはできない。」
これは私自身が選手に良く言う言葉なのですが、この言葉の後には
「君たちを変えることはできないけれど変わっていくべき道筋を示したり一緒に考えたりすることはできる。」というメッセージもつけています。
成長のイメージから来るワクワク感を伝えたいと日々試行錯誤しています。
このワクワク感を伝えるという事に関しては皆様からのアドバイスや体験談などもお聞かせいただきたいところでもあります。
おわりに
「ミスへの気付きの違い」は思いのほか大きく、本人がミスに気付いている場合の対処の仕方によっては、最悪のケースである・・・
「できないできないモード」(と私は読んでいます)に突入してしまうことがあります。
このできないできないモードになってしまうとその日は集中力を欠いた練習になってしまったり、指導者がイライラしてしまったりと良いことが無く、ズルズルとそのまま練習が終わってしまうこともあるので困ったものです(@_@;)
そんなわけで、次回はこのできないできないモードについて考えてみたいと思います。
ではでは今回もお付き合いいただきありがとうございました。