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バック側に振られた時のロングドライブが上手く打てない。コツはなに?
- 2016/1/26
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、樋口です。
ダブルスの後衛をしているときなどに、スマッシュ等を打った後、カウンターレシーブ的にバックサイド後ろ側に振られることがあります。
その返球として、バックハンドロングドライブを打つとき、シャトルに勢いがなかったり、ネットに引っ掛けたり、あるいは、ネット前にしか返せずに、相手前衛にプッシュされたりすることは、ありませんか?
今回は、原因をスイングにスポットを当てて、習得するまでの過程を、ステップ(1)〜(6)までの6段階でまとめてみました。
(ステップ1)
【現象1】スイングは、4つのスイング動作のミックス
バックハンドロングドライブのスイングを分解してみると、実は、4つの異なるスイングから成り立っていることがわかります。
〈スイング1〉
〈スイング2〉
前腕(手首〜肘)と上腕(肘〜肩)を使った、回外動作(腕の右回転動作)
〈スイング3〉
肘を伸ばす動作(伸展)
〈スイング4〉
脇を開く(右肘を上に挙げる)動作
(ステップ2)
【現象2】上記4つのスイングの使う順番(〈スイング4〉→〈スイング1〉)がある
バックハンドスイングは、フォアハンドスイングに比べて、使える筋肉が少ないため、パワーを出せません。
従って、これら4つのスイング動作が、〈スイング4〉→〈スイング1〉(胴に近い部分→ラケットに近い部分)の順番で行われることが必須です。これを、運動連鎖(キネティック・チェーン)といいます。
(ステップ3)
【原因1】4つのスイング動作の一部が欠けていたり、使用する順番が間違っていると、上手くシャトルを当てられない
料理というものはレシピがあっても、材料が足りなかったり、レシピの作業手順を間違えると、美味しい料理が出来上がりません。
同じように、バックハンドロングドライブも、スイング動作の一部が欠けていたり、順番通りに操作しないと、シャトルは思ったようには飛んでくれません。
バックハンドは、フォアハンドと違い、肘も前の方には曲がりませんし、動員できる筋肉が少ないためです。
フォアハンドなら、スイングの運動連鎖が多少崩れても、他の大きな筋肉のパワーで何とかシャトルを飛ばせます。しかしバックハンドは、その力技ができにくい分、スイングの運動連鎖を正確に行わないと、シャトルが飛ばないのです。
【原因2】インパクト時に、右肘が曲がっていると(スイング3の時に)、前腕の回外動作(スイング2)・ 指の捻じり動作(スイング1)がやりにくい
まず、日本体育大学の研究者のかたの動画をご覧ください
この運動連鎖と、二重振り子の原理 (関節をエネルギーが通過する時に、増幅(パワーアップ)させる方法 )について、力学的な解説をされていますので、参考に御覧ください。
(懐かしい選手が出ています。)
動画の、8分00秒~13分5秒に、運動連鎖と、二重振り子の原理の解説があります。
右肘はインパクト時に伸ばすことで、スイングの回転半径が大きくなり、スイング速度が落ちます。なので、インパクト時に肘を伸ばすと、肘を止めやすくなり、先端にある前腕や指の旋回をすることができます。
(ステップ4)
【対策1】まず、指による捻りスイング(スイング1)を習得する
シャトルの重量(質量)が軽いため、インパクト時のパワー(力積:重量×スピード)が小さくなります。よって、指のような小さな筋肉群でもシャトルをはじき返すことができます。(野球ボールでは、指が折れますよね!)
また、指は一番ラケット面に近い関節ですので、スイングの半径が最も短いため、スイング速度が上がります。そのため、シャトルを指の捻りで飛ばすことができます。
というわけで、指(親指と人差し指)の捻り動作ができれば、バックハンドでドライブを打つことができるのです。4つのスイングのうちで、最も重要な動作です。
因みに打点(前後)は、身体を左に向けて前習え動作したときの、右腕の延長上が打ちやすいです。
支点の位置は、フレーム外側斜め下です。
〈練習方法 : (指による捻じりスイング)〉
練習方法は、手投げノックでラケット面とシャトルとの距離感(シャフトの長さに慣れる)を慣れるまで練習します(動体視力、脳の空間認識能力)。
一番の難所は、上記距離感が醸成されていない間は、脳が距離感を誤認知して、インパクト時に右手を前後左右に動かして誤った補正を行ってしまうことです。これが空振りや当たり損ねの原因になります。手首は動かさずに固定で行ってください。
高く上がった球は、オデコくらいに落ちてくるまで待ってからスイングします。
(ステップ5)
【対策2】 スイング1の前に、スイング4→2の順番で連結して、スイングを組み立てていく
(肘を挙げる→肘を伸ばす(伸展)→前腕の回外→ 指の捻じり の順に連結する)
上の動画のように、ゆっくりしたスイング練習(スイング4→1)で、スイング順序などフォームを固めます。
その後、スイング4→3で右肘が伸びたタイミングで、手投げノックシャトルを投げてもらいます。そこで、一気にスイング2→1とスイングして、シャトルをヒットします。
(ステップ6)
コートで実際の場面を再現して、ノックをしてみる
お試しください!
次回は、「跳びつきがうまくできない!その原因は? 」です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。