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試合でスタミナを持続させたい!~エネルギー摂取編~
- 2016/1/18
- バド♪Remaking, 日替バド定食
こんにちは、樋口です。
試合で競り合って長時間になったり、試合数をいくつもこなしていると、身体が疲労して、動きにくくなったり、頭がボーッとしてしまった経験はありませんか?
今回は、身体の疲労を最小限に抑えるためにはどうしたらよいかを、エネルギー摂取に絞って、エネルギーの定義と身体内への蓄積方法、効果的な摂取方法までの過程を、順を追ってまとめてみました。
(テーマ1)
バドミントンにおける主なエネルギー源は、炭水化物(糖質)
食べ物などから摂取する、三大栄養素と言われる炭水化物、タンパク質、脂質が該当します。
身体の中で、それぞれを、分解して(代謝)、分解する際に、エネルギーを取り出すという方式をとっています。
なお、三大栄養素の中でも、エネルギーを比較的速く取り出せる炭水化物が優先して使われます。
(テーマ2)
炭水化物は、ブドウ糖まで分解されてから、身体に吸収される
その炭水化物(糖質)は分子が鎖に繋がれたようになっていますので、身体が吸収するときには、口、胃、腸などの内臓(消化器)で鎖をバラバラに切って、糖質の基本単位、ブドウ糖まで分解します。分解されて吸収されやすくなったブドウ糖は、小腸で吸収されます。
(テーマ3)
ブドウ糖は、エネルギーを速く取り出せる点で、加速が断続的に行われるバドミントン向き
バドミントンは、急に動き出したり、方向転換したり、しかし、ラリーが途切れれば休息が入ります。ランニングのように、エネルギーを出し続けたりしない代わりに、急激な加速と休息の連続になります(インターバル運動)。
ですので、大量にエネルギーを取り出せますが、取り出しに時間のかかる、呼吸の酸素を媒介にしたエネルギー供給方法(有酸素呼吸:有酸素運動)よりも、少量のエネルギーですが、エネルギーをすぐに取り出せるブドウ糖を分解するエネルギー供給方法(無酸素呼吸)をメインに使います。
(※フェイントに引っかかったときのリカバリーなど、超急加速では、「クレアチンリン酸」という物質から最速でエネルギーを取り出します。)
(テーマ4)
ブドウ糖は、筋肉に蓄えることができる
キャンプでバーベキューをする際には、薪木の束を準備します。同じイメージで、上記②のエネルギーを取り出す前のブドウ糖(バーベキューなら薪木)を、鎖のように繋げて(「グリコーゲン」といいます。上記例なら、薪木の束)、筋肉細胞の中に蓄えておきます。
いざ、バドミントンで動くために、筋肉を動かす際には、グリコーゲン(ブドウ糖の束)をバラして、ブドウ糖を取り出し、化学変化(代謝)させて、その際発生するエネルギーを取り出します。(実際は、エネルギーをATPという、電池のような役割をする物質に蓄えて、運びます。)そのエネルギーで、筋肉を動かします(収縮)。
(テーマ5)
どうすれば、エネルギーを多く蓄えて、スタミナをつけられるの?
試合の前でしたら、約3日前くらいから、炭水化物(ご飯、パンなど)を普段より多めに摂るようにします。
炭水化物は、体内(消化器)で、ブドウ糖まで分解されて、吸収され、ブドウ糖をくっつけてグリコーゲンにし、筋肉細胞内に保管されます。
したがって、白米やパンなどの炭水化物を多く摂れば、その分だけグリコーゲンという、エネルギー源が増え、スタミナを増強することが期待できます(カーボローディングまたは、グリコーゲン・ローディング)。
また、同時に、練習時間や、負荷を調整して、筋肉内のエネルギー消耗(グリコーゲンの減少)を防止することも、スタミナを温存することに繋がると考えます。
この、「カーボローディング」を当日の朝食まで続けます。炭水化物がブドウ糖まで分解されるのに、2〜3時間かかると言われていますので、7時くらいまでにはとる必要があります。
試合が始まる直前は、すでにブドウ糖の状態の糖が入っている飴やスポーツゼリー、スポーツドリンクなどをとると、炭水化物から分解する時間が節約される分、エネルギーの急速追加チャージの効果が期待できます。
(補足)
バナナは、エネルギー補給の万能フード!
因みに、急速チャージと腹もちの両方に優れているのは、バナナと言われています。
(吸収の速いブドウ糖、果糖や、吸収に時間がかかるデンプンなど両方を含んでいるため)
また、バナナは脚がつるのを防止する成分(カリウム)も多く含んでいるので、バドミントンには便利な食事アイテムです。
お試しください。
※(注意)食事はバランスが大切です。極端なカーボローディングは、血糖をコントロールするホルモン(インスリン)を出す膵臓にダメージがあるとも言われています。いつもの食事より適度な増加で行うことが大切です。
また、血糖値が高い方は避けることが必要と考えます。
次回は、「バック側に振られた時のロングドライブが上手く打てない。コツはなに?」です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。
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