ゲームポイントをとったのに、逆転負け。なぜ?

こんにちは、樋口です。

ダブルス大会やシングルス大会で、こんな経験したり、こんなシーンを見たりしたこと、ありませんか?

カウント12-12から、そのプレーヤーは、先に19点を取りました。

「やった!あと2点で勝ちだ!」。そう思った瞬間からアレヨアレヨという間に、相手に7点も連取され、ついに同点に追いつかれてしまいました。
「あと2点だ。集中して〜!」と周囲の熱い声援を受けながら、自分も「落ち着け、落ち着くんだ」と念じて必死にシャトルを追うけれど、ミスが続き健闘空しく19-21で逆転負け。

なぜ優勢な状況を保ち続けてのに、あと一歩のところで勝利をつかみ取ることができなかったのでしょうか?
こんなときの解決策はないのでしょうか...いいえ、あります!

 

(1) 【現象】 脳は「できた」と判断すると、パフォーマンスが下がる

今回は、脳科学の観点から原因と対策を提案させて戴きます。
最近、脳科学の進歩とともに、この逆転負けを防止する学説が出されました。

頭部

この終わり間際の逆転負けの原因は、脳のある習性に基づきます。脳は、期待された結果が出ると判断した時点で、パフォーマンスが下がってしまうのです。

脳の中に入った情報は、頭の前部にある脳の部分(下図❶ : 前頭葉内の前頭連合野)で、この情報が役立つのか?否か?の判断をします。

脳番地

 

これが役立つ情報と判断されると、脳の中枢部に、神経を伝って転送され、思考や記憶が行われます。この神経群は、自分に達成感や充実感をもたらすと判断された情報には、活性化するという特徴があります。

ただ曲者なのは、達成感が見込める状態で活性化するのであって、達成してしまったり、明らかに達成できると脳が判断すると、血流量が落ち、働きが鈍ってしまうのです。

 

(2)  【原因】 ゲームポイントで、「勝てたも同然」と判断してしまう脳

試合でも、先に19点や20点を取ってしまうと、脳が勝手にもう達成(勝てた)できた、できたも同然と判断して、上記の神経群のパフォーマンスが下がり、結果、集中力が落ちて、ミスをしたりして、相手に逆転を許すということになります。

脳神経細胞

 

(3) 【対策】 2〜3点多く取るつもりで、ゲームポイントでも、脳パフォーマンスを下げないようにする

結論は、脳が達成感を持たないように、言葉でごまかすのが一案です。例えば、15点を取ったくらいから、23点を想定し、あと8点と声かけします。可能な環境なら、1点取るごとに引き算して、声かけします。勿論、選手自身がそう信じ込んだり、パートナーと示し合わせることも効果的です。

競技中は、筋肉に栄養が多く行ってしまうため、脳はエネルギー不足で、本当に8点か?という検証をやっている余裕はあまりありません。

そこで、脳は19や20点になっても、パフォーマンス(集中力)を下げにくくなります。是非、お試しください。

検証では、残り点数を断言したほうが、効果がありました。「あと8点取るつもりで〜」ではなく、「あと8点取ろう」です。

 

次回は、「ダブルスで最初から打たれて、相手からの攻撃が止まらない。どうして?」です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。

※指導で、実際に有益な効果があがったことを確認の上で、報告しておりますが、技術の答えは、一つではないと考えております。他の指導法を否定する意図はございません。その点、ご理解の上で、お読み、お試しくだされば、ありがたいです。

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樋口 孝雄

樋口 孝雄バドミントン技術指導者(フリーランス)

投稿者プロフィール

バドミントン技術指導者(フリーランス)
1966年2月4日生
東京都国分寺市在住
競技歴:1982~2001年
指導歴:2002年~

私のバドミントン生活は高校から始まりました。運動系全般が苦手な私でしたが、何かスポーツをやりたくてバドミントン部を選びました。
当時、技術指導者はいませんでしたので、仲間よりワンテンポ遅れてしまう自分が、どうしたら理論的に技術が身につくかを、常に考えるようになっていました。この頃の背景がベースになり、今の私の技術指導スタイルが確立されたといえます。

元来、教えることが好きなこともあり、十数年前に小学生の指導を始めました。時間が許す限り、バドミントンのみならず、他競技のDVDや書籍etc.情報を集めては分析・検証し、よりシンプルでわかりやすいスキルアップ方法とは何か、知識と経験を積み上げてきました。現在は、技術指導者のいない中学生を中心に、学齢前から成人までのサポート活動をしております。

同じ指導でも、すぐ体現できる人もいれば、時間のかかる人もいます。指導する側にも、個性を生かした工夫が求められていると、身につくまでの道のりが遠かった私自身の体験から、感じています。

これまでの蓄積と、今後のさらなる追求を少しでも共有でき、特にお悩みを抱えている方々の微力ながら、お役に立つことができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

競技歴詳細:

東京都立小平西高→法政大学バドミントン同好会72

主催指導活動:

「癖動作矯正指導法」研究及びレッスン
→(http://minton.blog.jp/archives/306166.html)
中高生のためのバドミントン技術レッスンプロジェクト(西国分寺)代表者
バドミントンNPO団体 東村山フリューゲルス代表者

外部指導活動(東京都内):

堀越高等学校
練馬区立中村中学校
東久留米市立中央中学校
他中高計8校、一般2団体

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