いつもバド×チェックをお読み頂いてありがとうございます。近藤です。
前回まで3回に渡り、「股関節の機能を高める」ということで、ASLRをご紹介させて頂きました。
思いの外、反響が大きくて驚いています。
今後も、全体像をまとめつつ、機能改善系の記事も書いていきたいと思います。
今回は、ちょっとまた趣向を変えて、【公認バドミントン指導者資格】についてご紹介したいと思います。
埼玉県での開催ですが、現在、公認バドミントン指導員(4級)の養成講習が行われており、今回の開催から私も4コマほど講師を担当させて頂いております。
私が、担当しているのは、『バドミントントレーニング計画の実際』と『バドミントントレーニング論』『バドミントントレーニング論・演習』という講義です。
まだ、『公認バドミントン指導者資格』について知らない方もいるでしょうし、存在は知っているけど、よくわからないという方も多いと思います。
私もそうでした(笑)
存在は知っていたのですが、申し込みの時点から、よくわからないことが多く、
「もっとわかりやすくしてくれ!」と思ってました。
ということで、バドミントン指導者の普及と発展のためにも、一度わかりやすくまとめてみようと思った次第です。
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そもそも公認バドミントン指導者って何か?
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「公認」という言葉からもわかるように、日本体育協会と日本バドミントン協会が、正式に認めたバドミントン指導者ということです。
まずはこちらを見てみてください。『公認バドミントン指導者になるには』
わかりやすくまとめてあるのですが、なかなか一回では理解しづらいのではないかと思います。
理解のポイントをあげておきます。
◎公認バドミントン指導者には、4級(指導員)3級(上級指導員)2級(コーチ)1級(上級コーチ)の4種類ある。
◎基本的には、4級から順に上位資格へ進んでいきますが、指導実績や競技実績によっては、2級から受講できる。
◎資格取得のためのカリキュラムには、運動やスポーツについての一般教養である『共通科目』とバドミントンに特化した『専門科目』があり、それぞれ受講する。
◎4級〜3級は、管轄が各都道府県のバドミントン協会、2級〜1級は日本バドミントン協会であり、申し込みや問い合わせもそれぞれの管轄へ。
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どんなことを勉強するの?
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カリキュラムには、『共通科目』と『専門科目』がありますが、すべてこちらに出ています。
日本体育協会『公認スポーツ指導者制度オフィシャルガイド2015』
すべての公認スポーツ指導者について書いてあるので、バドミントンを探すのが大変です。(笑)
バドミントンに関係あるのは、p23〜p24の『共通科目』についてと、p117〜p120の『バドミントンの専門科目』についてです。
その他、公認指導者育成の基本コンセプトなど大切な内容も書いてあるので、見てほしいですが、大変ですね。
* 『共通科目』は免除あり!ジュニアスポーツ指導員やATなど!
私は、フィットネストレーナーという資格を取得していましたので、1級まではすべて共通科目免除です。ATの方も一緒ですよ!
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公認バドミントン指導者コンセプト
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この日本バドミントン協会が進める指導体制をぜひ知って頂きたいと思います。
私は、このコンセプトは好きですね。
大事な二つの言葉があります。
「OPEN MIND」(心を開こう)
「ALL for PLAYERs」(すべてはプレイヤーのために)
色々な意味があると思いますが、指導者のエゴやプライドのためではなく、プレイヤーのために指導を行い、指導者同士連携し、ともに発展していけるように、そんな思いがあると理解しております。
また、明確な指針があります。
①指導能力は、国際的水準を目指すことを根底に置く【一貫指導の方向性】
②指導内容は、個人的・経験的な考えに拘束されたものであってはならない【理念や指針を根拠】
③指導課題は、できるだけ発展的・段階的な要素に分割可能であり、評価可能であるように構成する【競技者の水準や課題を明示】
個人的には、バドミントンが日本で『文化』として根付き、いつでもどこでもバドミントンを楽しむことができ、教わることができるような活動を促すことも必要だと思っています。
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指導者資格を取ると、どうなるの?メリットって?
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一番よく聞かれる質問です。
これもあまり明確にはなってないのですが、私の個人的な見解を申し上げます。
あくまで、個人的な見解ですが、
「そもそもメリットを求めるものではない」
私も、最初は「お金も出して、時間もかけたんだから、なにかメリットないの?」って思ってました。
しかし、養成講師側になって考え方が変わりました。
今回お知らせした、日本バドミントン協会の指導におけるコンセプトに共感し、純粋にバドミントンを勉強したいという方が受けるべきだと思います。
実際に、受講される指導者の方は、「自分の指導に対する裏付けが欲しい」「教えるからには、しっかり科学に基づいた指導がしたい」という方ばかりです。
講師の皆さんも、純粋にバドミントンというスポーツを追求したいという方ばかりです。
あえて、メリットをあげるとすれば
受講生同士、または講師と、指導者ネットワークが形成できる。
これが一番ではないでしょうか。
私も、この指導者養成で知り合った縁で、いろいろな指導現場を見学させて頂いたり、一緒に練習させて頂いたり、情報交換をさせて頂きました。
一気にバドミントンの世界が広がった印象があります。
もちろん、今回埼玉の養成を私も担当しましたので、受講生の皆さんのサポートを今後も続けたいと思っております。
また、すでに国体やマスター大会のベンチに入るためには、指導者資格が必要ですので、今後、資格が必要な場面も増えてくるのではないかと思います。
サッカーは、すでに公認資格がないと公式戦の監督として登録できないはずですからね。
ちょっと長くなってしまいましたが、あともう一つだけお伝えしたいことがあります。
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競技別公認指導者の数
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競技別の公認指導者の数を比べると、バドミントンの置かれている状況がよくわかるかもしれません。
主要な競技と比べて見てみましょう。
【サッカー】 指導員 27,587人 上級コーチ 1,775人
【水泳】 指導員 10,428人 上級コーチ 748人
【バレーボール】 指導員 12,450人 上級コーチ 388人
【バスケットボール】 指導員 6、214人 上級コーチ 138人
【テニス】 指導員 2,522人 上級コーチ 359人(上級教師含む)
【バドミントン】 指導員 2、079人 上級コーチ 60人
こうして比べて見ても、まだまだ公認の指導者が少ないんだなあ、とわかります。
最近、バドミントン選手がメディアに取り上げられる機会も多くなってきましたが、「バドミントンやってみたい!」と思った子供や大人が、生涯スポーツとして楽しんでいくには、上達のための基礎作りが大切だと思います。
そのためにも、まだまだたくさんの指導者や環境が必要だと思っています。
この記事を機会に、公認指導者に興味を持って頂ける方が増えると嬉しいですね。
今回も最後までお読み頂きましてありがとうございました。